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金剛八式の拡散
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李書文八極拳の基礎として一般に知られている八つの招式
通常は以下の技となる。
金剛八式
1:衝捶,
2:川掌,
3:降龍,
4:伏虎,
5:劈山掌,
6:圈抱掌,
7:虎抱,
8:探馬掌
一般的には天津許家福系と、霍式八極拳の基礎として知られている。
しかし、功法として優れているため他の多くの系統の八極拳でも採用されたと言われる。
で、どこにどう伝わっているかをネット上の資料から探してみた。
金剛八式の出自
現在中国で一般的になっている金剛八式の出自の説は。
李書文と同世代で、交流のあった馬鳳図の証言に基づくものである。
清朝末期~民國初期にかけて武術家の集まりである(天津)『中華武士会』という団体が作られた。
天津武士会名誉総教練である李瑞東が、彼が習った少林拳の秘術である金剛八式を、
同教練である李書文・馬鳳図に伝授したという。*1
張克明の弟子、張景星と李瑞東との間で友情が交わされ、李瑞東が彼の太極拳や金剛八式と、
張景星の八極拳、大槍術との技術交換を申し入れ、張が同意。
以後両家のつき合いはずっと続き、李瑞東は李書文・馬鳳図・張毓衡・韓化臣らに伝授、
李瑞東の弟子は張景星に就いて学んだという。*2
また、強瑞清の八極拳には奥伝として金剛八式が伝わっている。*3
松田隆智著「拳遊記」によれば、李書文と強瑞清は仲が良かったとのことで、
その交流で伝わったと思われる。
武壇の金剛八式=八大式
奥伝、という意味に置いては、劉雲樵からの武壇系八極拳の奥伝である『八大式』が金剛八式である。
つい最近までは秘中の秘として拳譜すら明らかでなかったが、最古参の弟子の一人である徐紀師範により拳譜が発表され、
金剛八式であることが明らかとなった。*4
(最後の奥伝の技と最初の初伝の技が同じなのは古伝の武術ではよくある話である、片方で初伝で習う技が同門の異系統では
奥伝で教えることもまたよく見られる)
呉氏の解説
なお、呉氏開門八極拳では金剛八式の解釈は、
呉氏では単式を各套路からいくつか抜き出して基本功として練習しており、
そのやりかたを霍殿閣が八つに整理したのが金剛八式という立場である。
「呉氏開門八極拳」P40から大意。
これも間違いではない。
李大忠系の「八招」(招と勢と式は発音が同じであり、よく混同されて使われる。武壇では八大式を八大勢と言ったり、他の所
では金剛八式を金剛八招、金剛八勢と呼んだりする)
は小架から抜き出したものであり、同時にそれが奥伝の八大招式とする(八大招の資料を参考に)
そして流派によって古い小架の中には「金剛伏虎」が確かに存在する。(李大忠系ではこれの変形が猛虎硬爬山だという)
おそらく、金剛八式を吸収するときに八極拳として元からあった伏虎と少林拳の伏虎を融合させたと考えられる。
なお、金剛八式の元になった少林拳は「少林金剛拳」であるが、それに出てくる伏虎と、
羅瞳八極小架の中に出てくる伏虎を合成すると、
ちょうど東北系の金剛八式の伏虎の動作になる。
(東北系の金剛八式は書籍「八極拳」(張世忠著)に紹介されている)
ちなみに前半が八極小架の伏虎、後半が少林金剛拳の伏虎、という形である。
自分で比べてみたい方は、YoutubeでBaji(八極)等探されると見つかる。
なお、李瑞東太極拳にも現在金剛八式が伝えられている。
特徴的なのは、連続して片側で同じ動作を二度行うこと、(もう片方を含めると計四回)
現在これと同じ方法をおこなっているのが套路の映像から確認できるのは、
李志成師範(李書文の孫)の小架に含まれる金剛八式動作、
蘇昱彰師範の劉雲樵伝六大開、
馬賢達系?の通備八極小架の中に含まれる金剛八式動作。
これには、練功上のとある理由があってのことで、
実戦での意味合いとは違う。
練功重視は二度繰り返し、実戦重視は一度のみということになる。
*1 「八極拳は一番最初に金剛八式を行い基本の力の出し方(発勁方法)を体得していく! http://www.wushu2008.cn/viewthread.php?tid=5791 より抜粋 |
*2 羅童李家,應該是不會。 |
*3 http://www.artx.cn/artx/wushu/33188.html より(強式の八頂八式か?) http://www.huawutang.cn/forum/viewthread.php?tid=3142 より抜粋 |
*4 武壇國術推廣中心HP |
http://tieba.baidu.com/f?kz=314809676 より 八極拳精要 金剛八式:劈三掌、圈抱掌、虎抱掌、降龍、伏虎、探馬掌、左撐鎚、右撐鎚。 一、劈三掌:歌:立掌斜劈開山斧 訣:撩陰奪肚奧妙精 二、圈抱掌:歌:熊精硬靠出蹲叢 訣:肩闖橫力少入侵 三、虎抱掌:歌:虎抱龍拿猛又狠 訣:翻轉如同一車輪 四、降 龍 :歌:降龍羅漢力千鈞 訣:舉鼎託閘敵萬人 五、伏 虎 :歌:伏虎將軍神威廣 訣:拔山帶領去通神 六、探馬掌:歌:高山探馬迎風站 訣:起落翻降哪□伸 七、左撐鎚:歌:衝掌執法誰能擋 訣:倒拉九牛永無輪 八、右撐鎚:歌:鶴瀾沙灘掘山勢 訣:支掌八面任屈伸 金剛八式:一式可變八式,八八六十四式,千變萬化,奧妙無窮,可運用八極拳的十二步行,十二排靠功,金剛八式,六力之和,相互配合,擊倒對手。 滄州八極拳社:趙立軍 二00八年元月二十八日 http://read.xwdl.com/files/article/html/29/29803/1256547.html より 一、金剛八勢(基本開門練法):撐鎚(崩弓竄箭急)、降龍(五岳朝天錐)、伏虎(六合撲地錦)、劈山掌(劈山斧加鋼)、探馬掌(登山探馬準)、虎抱(圈攔虎抱急)、熊蹲(熊蹲硬靠擠)、鶴步推(鶴步推山穩)。
http://www.wushu2008.cn/archiver/?tid-10211.html より、 |
§
霍式金剛八式 | 馬氏剛功八式 | 許家福系 | 武壇八大式 | 強式 | 不明 |
1:冲捶 | 頭趟:撐鎚 | 撐鎚(崩弓竄箭急) | 第一路:衝捶 | 撐捶 | 劈三掌 |
2:迎面掌 | 二趟:斜劈 | 降龍(五岳朝天錐) | 第二路:劈山掌 | 撲面掌 | 圈抱掌 |
3:降龍 | 三趟:琵琶 | 伏虎(六合撲地錦) | 第三路:迎面掌 | 降龍式 | 虎抱掌 |
4:伏虎 | 四趟:劈山 | 劈山掌(劈山斧加鋼) | 第四路:圈捶 | 伏虎式 | 降龍 |
5:劈山掌 | 五趟:降龍 | 探馬掌(登山探馬準) | 第五路:降龍 | 劈山掌 | 伏虎 |
6:圈抱掌 | 六趟:伏虎 | 虎抱(圈攔虎抱急) | 第六路:伏虎 | 探馬掌 | 探馬掌 |
7:虎抱 | 七趟:抱樁 | 熊蹲(熊蹲硬靠擠) | 第七路:探馬獻肘 | 虎抱捶 | 左撐鎚 |
8:探馬掌 | 八趟:跺歩戳指 | 鶴歩推(鶴歩推山穩) | 第八路:虎抱 | 圈抱掌 | 右撐鎚 |
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霍式金剛八式 | 馬氏剛功八式 | 許家福系 | 武壇八大式 | 強式 | 不明 | 霍式別記 |
1:冲捶 | 頭趟:撐鎚 | 撐鎚(崩弓竄箭急) | 第一路:衝捶 | 撐捶 | 左撐鎚 | 沖錘 |
2:迎面掌 | 八趟:跺歩戳指 | 鶴歩推(鶴歩推山穩) | 第三路:迎面掌 | 撲面掌 | 右撐鎚 | 迎面掌 |
3:降龍 | 五趟:降龍 | 降龍(五岳朝天錐) | 第五路:降龍 | 降龍式 | 降龍 | 降龍 |
4:伏虎 | 六趟:伏虎 | 伏虎(六合撲地錦) | 第六路:伏虎 | 伏虎式 | 伏虎 | 伏虎 |
5:劈山掌 | 四趟:劈山 | 劈山掌(劈山斧加鋼) | 第二路:劈山掌 | 劈山掌 | 劈三掌 | 劈山斧 |
6:圈抱掌 | 七趟:抱樁 | 熊蹲(熊蹲硬靠擠) | 第四路:圈捶 | 圈抱掌 | 圈抱掌 | 熊蹲圈抱 |
7:虎抱 | 三趟:琵琶 | 虎抱(圈攔虎抱急) | 第八路:虎抱 | 虎抱捶 | 虎抱掌 | 虎扣拿 |
8:探馬掌 | 二趟:斜劈 | 探馬掌(登山探馬準) | 第七路:探馬獻肘 | 探馬掌 | 探馬掌 | 登山探馬掌 |